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first love 11

2021/07/24
first love
※R18ミンホです。登場人物は全て実在の人物、団体等とは無関係です。高校生以下の方の閲覧はお控え下さい。けっこうアダルトです、イチャコラな感じを読みたい方は不向きです。

first love
→この作品について
パラレル/ビター/純愛/R20(傾向が相反していますが色々な意味を含みR20指定)裏描写は直接的ではないですが刺激がありますのでご注意下さい。悲恋なので甘々を好む方は不向きな作品です。※学園物の様に始まりますが学園物ではありません。

first love ─愛を頂戴─
11











ユノの実力でユリは元の顔を取り戻した
もう顔面の腫れも大分収まり、少しずつ笑えるようになってきていた


そんなある日、僕は銀行に立ち寄ると残高がおかしいことに気がついた


「こんなに少なかったっけ…」
ぶつぶつ言いながら家に戻り、ユリに通帳を見せる
すると彼女は黙り込んで僕から目を逸らした


「…何、どうしたの」
「ごめんなさい…パパが駄目だって言うから…ちょっとだけ借りてたのよ」
「ちょっとだけって…何に」
「そんなの聞かないでよ、わかってるくせに」


僕はハァと溜め息をついて彼女をじっと見つめた
「それ、なんで黙ってた?一言言ってくれれば僕だって…、これじゃあ盗みだよ…」
「そんな人聞きの悪い…気付かなかったくせに」


こいつ、駄目だ
もしかして今までずっと?
ずっと何も言わずに僕の通帳から?


「ユリこれは信用問題に関わるよ…」
「…言ったらチャンミン反対したでしょ」
「だからって…、っていうか整形の為に貯めてた貯金あるってあれは嘘?」
「ああもうっ、ごめんなさい…返すから」
「返すって…別に僕達他人じゃないんだし、第一どうやってそんな大金返すって言うんだよ……もう、いい……」


バサッと通帳を投げ捨て部屋を出て行く僕をユリは追いかけてくる
「待ってチャンミンっ」
「ちょっと一人にしてください…」
「どこ行くのよっ、チャンミン私を捨てないで…っ」
「捨てるって…それこそ人聞きの悪い、とりあえず…今は一人にしてくれユリ」


僕は車を車庫から出してアクセルを思い切り踏んだ
別にどこにも行きたいわけじゃない
だけど息が詰まりそうだった


ユリは僕を愛してるのか?
いつでも自分、自分ばかりで美しくなることに嵌まって行った
もう僕は見えてなかったのか
僕は…見えていただろうか
大学時代のあの頃に戻れたらいいのに…


適当に車を走らせていると取引先のセレクトショップが目に入った
側道脇にハザードを出して車を停め、もうcloseとあるその看板を無視して中に入る


「あーチャンミンさん、どうしたんですか」
「…もう閉店だっけ」
「そうですよ」
「あれ、売れてますか?zonumのニット」
「売れてますよー、もう在庫もなくて今置いてるやつだけになっちゃってますよ」


僕はその言葉を聞いて、照明の落ちた店内を見て回る
そして一枚のニットを広げてサイズを確認した
「これ、貰っていい?」
「え…チャンミンさんが?それならLじゃないです?もうそのサイズ一点しかないですよ」
「いや、友達に頼まれてて」
「ああ、そうなんですね、わかりました」
「ちゃんとお買い上げするからさ」


カードを出すといいと言われたがそういうわけにはいかない
僕はただ一人の客のようにそのニットを買って店を出た





こんなものを買ってなんだと言うんだ
そう思ったけれど、ほんのお礼だ
いや
ただ、ユノにあげたかった
あの日の、大きめのでも可愛かったけれど、大人の男らしくすっとスマートに着てほしくて


「馬鹿だな…」
そのビルに辿り着いてエレベーターを降り、ふと冷静になってドアの前でそう呟いた
だから僕は、その紙袋をそっとドアの取っ手に掛けた


朝、気付くだろうか
スタッフが気付くだろう


「…さよなら」
小さく呟いてドアから離れ、元来たエレベーターに向かう


───チャンミン?
そうユノが僕を呼ぶ空耳まで聞こえて僕はフッと笑った





「チャンミン」


同時にガサリ、と紙袋が落ちた音に振り返る
ドアを開けたその人は、僕と取っ手から落ちた紙袋を交合に見て不思議そうな顔をした


「ユノ…居たんだ」
「チャンミンどうしたの?これ、忘れ物?」
「いえ…、あなたに」
「俺に?」
ユノはそう言って中を覗く
そしてがさがさと中の包みを開けてそれを見ると、ふわりと笑った


「わぁ、チャンミンこれ…」
「ラス1です、それ売れてて」
「いいの…?」
「…うん」
「着てみるよ」


僕はいいと止めたのにユノは中へと入っていく
僕はそのまま帰ろうか迷い、結局それを着て出て来たユノを見て笑顔が零れた


「ぶかぶかより断然いいです」
「俺、かっこいい?チャンミン」
「はいとても…似合ってるよユノ」


そんな無邪気な笑顔を向けられたら、可愛いと抱きしめてしまいそう
あの日のように
僕は俯いて、そんな気持ちをぐっと殺した


「チャンミン何か…あった?」
そう言われて俯いたまま拳を握る


「当たり前か…奥さんのこともあるし…今執刀医の行方捜してるんだけど…」
「いや、いいんです、ユノは悪くないしそんなんじゃない」
「チャンミン…泣いてる?」
「いいえ‥そんなわけ」
「俺はちょっと泣きたいかな、なんて」


あははと空笑いしたユノを抱きしめてしまう
その瞬間にどさくさに紛れて恥ずかしい涙を手の甲で拭った


「ごめんもう…駄目なのに」
「そうだよ、奥さんの所に早く帰ってあげて」
「はい‥」
「帰るなって言いたいけど…言えない」
「はい‥」


そう返事をして体を離して…僕はもう一度腕を伸ばしユノの後頭部を掴んで寄せた
柔らかな唇が一瞬当たって、ゆっくり離れてく


戸惑うように瞬きして、溜め息を吐いて
僕はさっと後退ってドアを開けた


ドアを閉める時、ユノがカウンターにもたれかかって顔を背けて目尻を拭った
それが見えた


どうして、こんなに胸が痛いのか
苦しいのか
それがあなたなのか
答えなんて探してもきっと一生見つからない


誰かを好きになることに、理由なんてない
許されなくても惹かれていくのだから





僕はその晩、予定より早くニューヨークに発つことを決めた
予定より早く、あなたを忘れられるなら












to be continued

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Comments 8

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2021/07/24 (Sat) 13:15

みん

切ないようーーー
チャンミンもユノも泣かないようにしてるのにないてお互い見られないようにしてるところ切なすぎて泣いた。。。
幸せになってほしいですよほんとうに
チャンミンさん忘れなくていいよぉ
二人とも苦しまないで(T ^ T)
終わってしまうのは寂しいですが、、続き頑張って下さい

2021/07/24 (Sat) 14:06

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2021/07/24 (Sat) 16:40

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2021/07/24 (Sat) 16:42

sari

Re: 。・。゚(ノДi゚)。゚。・。

*の**む様
11ありがとうございます。そうなんですだからこのタイトルfirstloveなのございます。
顔背けるとこはね‥
駄目ですよ通り越して病気とか笑
あと二話でおしまいですが引き続き楽しんで下さいね♡

2021/07/24 (Sat) 20:21

sari

Re タイトルなし

みん様
お久しぶりです。11ありがとうございます。
そこの所ね‥今読んで私も気付きました。これ二人ともお互いに見られないようにしてますね。ユノだけかと思った。←書いといてどんなだったか忘れていた
ありがとう、あと少しですががんばりますね♡

2021/07/24 (Sat) 20:23

sari

Re 初めまして

*ろ*き様
はじめまして。first love最初から読んで頂いてたんですね、ありがとうございます。
いえそんな、お気軽にコメントして下さい(笑)
確かに今回何も言わずすっ飛ばしていきなり小説だけ更新し始めました‥ゴメンね💦またちゃんと記事書きます~

2021/07/24 (Sat) 20:24

sari

Re タイトルなし

シー*様
こんにちは。振り切れてますか(笑)確かに嫁はめちゃくちゃですね、どんだけ顔に拘るんだっていう。
シー*さんのワードチョイス渋くてなんか好きです。
あと少しですがお付き合い頂けると嬉しいです♡

2021/07/24 (Sat) 20:32
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