annex of S

Light in Darkness 09

2021/08/05
Light in Darkness
⚠この章は裏描写を含みます・SMも含)※R18ミンホです。登場人物は全て実在の人物団体等とは無関係です。高校生以下の方の閲覧はお断りしています。

L in D
→この作品について。パラレル/エロティックサスペンス/R20deep/刺激が強いお話なのでご注意下さい(SM表現等も有り)※レラユノからのミンホです、HCが悪役で出てきますがお話の中であっても辛い方は読まれないようにして下さい。



Light in Darkness

09





─Y─


いい人だった
それにいい男だった
偶然俺を助けたのがチャンミンで良かった


少しの手伝いで生活に必要な物は何でも揃った
しかも必要以上の事は詮索して来ない
まあ、俺の体を求めてるって事は分かった
奥さんに内緒にしてでも‥
だから俺は何時でも応える
邪な心だったけど、これが武器なんだ


鍛えているのか、チャンミンは酷くいい身体だった
そして利発で飲み込みが早かった
同性とのセックスなんて有り得ない、そんな男だったわりに俺は最初からしっかり感じさせられていた
そして何より、どんな時にも優しさがあった
俺はそれに感じているのかもしれない


毎日こんな客なら憂鬱になる事もなかったし、きっと進んで抱かれただろう
俺は、チャンミンが好き
とても好きだ‥


だけどヒニム、あなたは越えられない
チャンミン、もっと早く出会いたかったのに
だけど俺があんな事をしなければ出会わなかった
なんて皮肉なんだろうか


今になってじわじわとした恐怖と悲しみが込み上げる
考えないように心を殺していた、それがじわじわと蘇る
俺は命を助けられた
だけど俺が殺めたあなたはもう…




≒≒≒≒≒≒




ある夜、俺はチャンミンが帰ってからPCの電源をつけて椅子に腰掛けた
大きく溜め息を吐き出し、それからサーチエンジンに入力する


SHJグループは沢山の商業ビル、そして高級クラブ等を持っていた
代表取締役の名前はキムヒチョルのままだった
けれどもFacebook等は更新されていなかった


やっぱり、俺は、あなたを殺した
この手で
もうどうにもできない迷宮の果てで進むことなんて出来なかったんだ
あなたを誰よりも、あんなに愛したのに






──────‥






俺は彼の敵対するマフィアの、ボスの後を継ぐ運命だった
俺自身はそんな気は更々なかったけれど、いつかそうなる運命だと言い聞かされ育った
だけどヒニム、あなたの組織がそれを壊したんだ


壊滅的になった組織ではもう何も機能しない
最後に親父が他界して組織が全滅すると、彼は人質に取っていた当時まだ高校生だった俺に言った
「お前を生かしてやるよ」



どういう事か分からなかった
だけど俺の顎を掬い、しげしげと見つめて彼はにやりと笑った
「いい額が取れそうだな、ユノ…お前は綺麗だよ」
「ヒチョル…ヒョン…どういう…意味…?」
「まあそういう意味だ、ユノ俺の事はこれからヒニムと呼べ、いいな?」






≒≒≒≒≒≒






女も男も相手をした
リピートされる度、行為がエスカレートしていく
自分の実際の金額は知らない、だけど追加を払ってでも過激な事をする顧客に、組織は手厚い対応をしていたみたいだ


これは生きる術、もう感覚も麻痺しているんだから何てことない
そう言い聞かせても時には激しく傷付く
そんな時に、彼は救いの手を差し伸べた


「どうしたんだユノ、具合でも悪いのか」
出された食事に手を着けようとしない俺の顔を彼は覗き込む
女のように美しい顔が近づくと俺は顔を背けた


「あはは、何か言えよユノ…食べないと精が出ないぞ?」
「ヒニム…俺‥ホルモンが食べたい…です」
試しにそう言ってみると彼はガハハと笑って俺の腕を引っ張った
「お前の口から俺に何かをお願いするのか」
「いえ…あぁ、やっぱりなんでも…」
「いや初めてだよな?お願い事…なんだ可愛いじゃないかユノヤ、聞いてやるよどこ行きたい?」


俺は最大限の我が儘を言ってみる
彼を怒らせても、もう良かったから
こんな世界、生きてる意味なんてないんだから


「…こんな高級じゃなくて庶民ぽいところに行きたい」
そう呟いてから彼を見つめると、彼はパチンと指を鳴らした
「車の用意」
「はいっ」


言ってみるもんだ
高校の友人とよく来た、こんな安い店に似合わない二人だけれど


彼は俺に良く喋ってくれた
親父のことを本当は憎んではいなかったこと
ビジネスのこと
男や女の愛人が沢山いること


俺を真っ直ぐ見つめ、俺が喋っている時にはちゃんと聴く姿勢をとってくれる
憎んでいる筈なのに、いい男だと思った
彼はカリスマだった


「ユノ、本当はお前に男娼なんかさせたくないんだけどな…」
そんな事を言うからつい、俺はやめたいと懇願する
すると彼はオレでちゃらにしてくれと、俺の意見をやんわりと蒔いた






────────‥






「ぁ……ぁ…」
「お前は素晴らしいよユノ、それなのにあのパク野郎…お前に酷い事したんだってな」
そう言いながら彼は俺を撫で回す
「でもまあなんとなくわかるよ、お前がそうさせてるんだよな」
「ちがう……」
「いいよ今日は俺が優しく抱いてやるから」


彫刻のような美しい顔が降ってきて、さらりとした髪が俺の頬に落ちる
優しいフェザータッチ
彼が触れる箇所全部が癒やされているように温かくなったんだ
あんなふうになるまでは

















なんであなたに愛されたいと思ったんだろう
心まで奪えないから、余計に強請るのか


これはストックホルム症候群か
犯罪者や自分を傷つけた人間に愛の感情を抱いてしまう、所謂一種のトラウマか


違う、違うんだ
こんなにされても俺は…


「痛いとか熱いとか一言でも言ってみろよユノ…十倍にするからな」
「……ぁ、ぁ……ぅ‥」


低温だって言ったのに十分に熱い蝋が背中にぽたりと落ちる
達しそうになると止めをかけるように垂らされコントロールされる


たかが愛人の一人
玩具の一人
だけど俺はこの行為に垣間見える、彼の僅かな優しさに溺れる


その表情
舌なめずりの音
全身に纏わりつくような腰使い
俺に溺れるようにし向けても自分だけの物にならないジレンマに、俺はついまた彼の行為を受け入れてしまう


「ヒニム…もっ‥と…」
「そうか、じゃあ温度の高いのにしてやるよ」
「ゃ……、ああぁ……」
「可愛い俺のユノ、愛してるよ」


愛してるよ
何故それにすがりつくの
苦しいんだ
なんでこんなに好きか自分でもわからない
もうやめにしたい、何度も思って、何度もそう懇願しても駄目だと側に置かれる


どんなに稼いだら、あなたを潤したら
あなたは俺だけを見るの


あなたをどん底に突き落としてから救おうとしても、もう既に救われている
警察とも癒着している、この壮大な組織から逃れる術もなかったんだ


─ユノや気は変わったか?
あの日あなたは俺にそう言った


変わったよ
変わったんだ


自分を救えるのは自分しかいない
もう終わりにしたい
俺があなたの最期になれたらと、そう思ったんだ













つづく

この09はヤバいです。でもお話の核で避けられないの(ノД<)~ 次も大事かもしれない。皆様死んでませんか‥一息つける場面も用意しているので安心してくださいね‥。

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Comments 6

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2021/08/05 (Thu) 00:49

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2021/08/05 (Thu) 02:07

みん

sariさん、この小説、破壊力すごいです、、、😭
ゆのが壮絶で感情移入がすごいです。。。
チャンミン愛してあげてーーー😭😭😭

2021/08/05 (Thu) 11:47
sari

sari

Re: タイトルなし

*t様
辛かろう内容を理解して下さってありがとうございます。なんでこんなの書いたんだろう(T_T)←
しんどいよね、でもほっこり場面もあるんですよ。想像つきにくいかもしれないけど笑
ストックホルムはありますね。抜け出せるには愛が必要ですね。

2021/08/05 (Thu) 15:58
sari

sari

Re: タイトルなし

マ*カ様
ありがとうございます。でも今は無理です笑
辛い時はサイトの方のアホみたいなコメディ読んで一息ついて下さいね。カジュアルタッチで笑えると思います。これは本当にラスト私も泣いちゃいまして←自分で書いといて泣く奴
大丈夫です!安心して下さい。

2021/08/05 (Thu) 15:59
sari

sari

Re: タイトルなし

みん様
大丈夫ですか~笑って下さい←笑えない
今しんどいと思います。でも私を信じてついてきて下さい。苦いから甘さが際立ちます。珈琲と一緒に食べるケーキのように‥←ホンマか

2021/08/05 (Thu) 16:01
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sari
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